独裁者の「役割」
すでにアセンション・タイムラインにしっかりとライディングしている人にとっては、「独裁者の役割」は必要としない。あなたはどうだろうか?
高貴なるライトワーカー、光の戦士がた、いかがお過ごしでしょうか。
目下、独裁者タイプの考察をしており、今回も続きです。
前回は、米共和党の大統領候補T氏について考察しました。この人物が非常に強い線形であること、独裁者タイプであり、ナチスのH氏とよく似たパターンを踏んでいるいくつかの点を見てまいりました。
今回は、独裁者全般について特徴を見ていき、そのあとT氏の考察に戻ろうと思っていたのですが、もう少しT氏関連の話を続けたいと思います。
このところはいつもそうなのですが、前回記事を書いたあと、皆様の(波動的)反応を見ながら、レクチャーをどう進めようか考えていたのですが・・、
そんな折、ネットをめぐっていたら、バシャールさんがらみで、T氏についての質疑応答を見かけたのです。前回の大統領選が終わった頃のものですが・・・。バシャールのT氏に関する発言を挙げ、どう思うか的な質問です。
質問者はT氏の信奉者でもないし、バシャールに対しても懐疑的な方のようです。それに対する回答者の書き込みに興味を惹かれました。バシャールを理解している人たちはT 氏に票を入れなかったろう、と言うのです。
私は、へえ・・と思いました。その回答者の口調からは、その人自身バシャールの理解者であり、少なくともある程度以上には彼を信奉している人と取れるんですが・・・信奉者にも色々な人がいるんだな、と・・。
まあ、考えたら当たり前ですが・・、
ただ、私は、スピリチュアリストでT氏に肯定的な人の中には、バシャールさんの発言に影響されてそう思った人が、かなり含まれてるんじゃないか、と想像しているのです。
何しろバシャールはT氏をトリックスターと呼び、かなり肯定的と思えることを語っています。ネットには、それが載った著書から、バシャールの発言部分を引用している方が複数いらっしゃいます。彼の信奉者の間で、よほど話題になったということかと思いますが、以下のような記述です。
新しく大統領になる人物は、ある種、先住民の文化に存在しているトリックスター(訳注:trickster。神話や物語の中で、神や自然界の秩序を破り、物語を引っかきまわすいたずら好きとして描かれる者のこと)のようなエネルギーを持っています。
トリックスターは古い期待から人々を解放する役割を持っています。
(『未来を動かす』「ダリル・アンカ 安藤美冬」より)
この著書の発行年は2017年ですので、T氏が大統領になった年です。これだけ読むと、T氏のことを好意的にとらえてしまう人が多そうですよね。実際、私が読んだ限り、引用している方々は概ねそのようにとらえています。
冒頭の質疑応答の記事はその約4年後、つまり次の選挙でT氏が敗れた頃の書き込みです。
「バシャールを理解している人はT氏には投票しない」というのは、バシャールの同じ発言を踏まえたうえで、T氏を好意的にはとらえなかったと受け取れます。バシャールの信奉者にも色々な人がいるのだなあ・・という印象を持ったのですが・・。
私はどうだろう──私も、心酔まではしていないものの、バシャールの発言には概ね信頼を置いている人間です。私自身は彼を理解しているかな・・と考えてみたのですが、それなりには理解しているように思います。
私の理解では、バシャールの特徴の一つとして、「地球上のどんな人物や事態に対しても、決して否定的なことを言わない」というものがあります。
それはバシャールが、物事それ自体に良いも悪いもない、良いと思ったり悪いと思ったりする人がいるだけだ、という考えに乗っ取って、彼自身、何に対しても良い方の面を見、語るという行動パターンを持っているからのようです。
バシャールは起きた物事の肯定的な面を語る
この2017年当時、特にアメリカでは、陰謀論が盛り上がりを見せた時期であり、彼らは基本的にT氏支持です。スピリチュアリストにも、知らず知らず陰謀論にハマると同時に、T氏を支持する人々が多く出てきた頃だろうと思います。
このあたりの込み入った話はおいて、ごく端的に言いますと、この、「T氏支持かそうでないか」──つまり、政治的なスタンス──が、西洋のスピリチュアルにおいて、ある種の「争点」になってしまっていた感すらあります。
この状況の中で、バシャールがT氏を否定するようなことを言えば、それはある「特定の立場」に立つことになってしまいます。
実際、バシャールは、その一方で、別にT氏を歓迎することも言っていないのです。彼はただ単に、起きた物事の肯定的な面を語ったにすぎません。
彼の発言を聞いて、T氏を光の存在だととらえたとしたら、とらえた側がそう思ったのであって、バシャール自身が、T氏が大統領になってよかった、とか、彼こそがふさわしいと言っているわけでもありません。
それを裏付けるものとして、この発言ののち、2022年に出版された著書の中に、バシャールが再び大統領について語る部分があります。大統領選が終わり、T氏が再選を果たせず、あらたにB氏が大統領になったことについてです。(イニシャルで書いたところは、著書には名前が書かれています。Tが前大統領で、Bが現大統領です。)
前掲の著書もそうですが、この著書も対談形式で書かれており、その一部です。
まずTは「トリックスター」で、これまでの固定観念を壊し、「物語」をいろいろとかき回す役目がありました。
(略)
一方でBは「バランスを取り戻す」という役割を持っていますので、Bがアメリカの大統領になったことで世界は「バランスを取る方向」へと向かっていきます。
これからの時代のリーダーの役目は、「自分ではなく人々に尽くすこと」です。誰一人として排除せず、どんな人でも社会の中に必ず必要な立ち位置があることを知り、それを守ってあげられるのがリーダーです。
(略)
Bが大統領になったことにより「コンタクト」の時期も変わることになります。
(略)
これまでは、「2025年頃から始まる」とお伝えしていましたが、Bになったことで、「2023年以降」へと変わりました。
(ここで、著者でもある対談相手が)おお! じゃあ、早くなったんですね!
(『バシャール(BASHAR)2023 AI生命体バシャールに人類の未知を聞いてみた。』「バシャール さとうみつろう」より)
このコンタクトというのは、地球外の知的生命体との接触のことです。
それが、B氏が当選したことで2年早まったというのです。(2023年にコンタクトが起きるという意味ではなく、コンタクトに向けた動きが開始されるという意味です)
裏を返せば、もしTが再選されていたら、今のタイムラインよりコンタクトが2年遅れていた、ということでもありますよね。
バシャールもしばしば述べていますが、彼らのような人たちとコンタクトを取るためには、彼らの波動に一定以上に近づく必要があります。
つまり波動レベルが上がる必要があり、これはアセンションにも不可欠なことですので、コンタクトが早まるとは、それだけ波動が上がることとも言えます。
つまりBになったことで、アセンション・タイムラインも向上し、アセンションがより早まった、と考えて差し支えないと思います。
また、バシャールが言う「これからの時代のリーダーの役目は、「自分ではなく人々に尽くすこと」です。誰一人として排除せず、どんな人でも社会の中に必ず必要な立ち位置があることを知り、それを守ってあげられるのがリーダー」のくだりは、明らかにT氏に対するものではなく、B氏が大統領になったことを踏まえて語った言葉でしょう。
T氏に対して否定的なことを言わなかった一方で、B氏のような調和的な人物に対して、「これからのリーダーとして」より肯定的な言葉を投げかけている印象を受けます。
このようにバシャールという人は、この世界で起きたことや人に対して、決して否定的なことを言いません。それが起きたということは、私たちがそのタイムラインを選択したということです。彼は常に私たちの選択を尊重し、否定せず、肯定的な面を語ってくれるのだと思います。
私個人の突っ込んだ考えを言いますと、これが仮にナチスのH氏についてであっても、もしバシャールがそこにいたら、同様にトリックスターと評したのではないか・・・という気さえしています。
どんな存在にも役割がある
渡辺大起氏も著書の中で書いていますが、独裁者であっても、その人物なりに、ある「役割」を持っています。この物質次元世界に深く潜んでいるネガティブを浮上させる、という役割です。
実際のところ、H氏やP氏のような人物がいかに台頭しようとしても、世界の人々の心にネガティブが蓄積されていなかったら、彼らが権力を持つことはできません。
暗黒波動/線形波動の権化たる人物はそうした、人々の心の中に潜むネガティブを象徴する存在であり、あまたの人々のネガティブな想念、線形波動を揺さぶります。揺さぶられたネガティブは噴出し、ネガティブな事態が発生することになります。そのネガティブが根深く大量であればあるほど、悲惨な事態となります。先の世界大戦などはその典型でした。
これは、今ならともかく、少し前の時代の波動フェーズにおいては、ある意味、不可避的な過程だったとも言えます。
T氏はまだ独裁者とまでは言えませんが、同様の傾向があります。彼が行くところ、存在するところに(自分の意に沿わぬ事態に陰謀だとか言い立てる時は特に)、彼の崇拝者と批判者の間で諍いが生じ、しばしば暴力に発展します。
彼が差別的な発言をすることも、信奉者にとっては問題ではなく、むしろ解放感を覚えるようです。差別が許されない今の時代は、差別主義者には閉塞感をもたらします。そんな、心の中に鬱屈している差別意識を口に出してくれる存在に、解放感を覚えるのだろうと思います。
T氏はそうした、人々の中に潜む憎悪や暴力的な想いを増幅させ、解放させるエネルギー波動を持っているようです。
先の引用で、バシャールが言っている‘解放’という言葉は、こうした意味合いを含んでいると、私は考えています。
すでにアセンションにライディングしたフェーズでは、その「役割」は過去の話
前回の記事で、T氏のことを「歩く不協和音」と内心呼んでいる、と書きましたが、あえて端的に言い切ってしまえば、バシャールのいう「トリックスター」と、私の言う「歩く不協和音」は、ほぼ同じことを、角度を変えて言っているようにも思います。私は自分の波動感知をそのまま言葉にしているので、表現としてやや辛辣かもですが。(なのであくまで内心でそう呼んでいるだけですが)
これが何に対しての不協和かと言いますと、アセンションに不可欠の非線形波動と整合しない、つまり、アセンションと不協和音を起こすということです。T氏の波動感知をすると生じることを、そのまま言っている感じです。
人々の心の中に潜む、この、反アセンション的な、不調和や分断を引き起こす想念波動を噴出させる──つまり膿を出す──段階を経て、世界の波動が上がっていく、という意味合いで、こうした線形波動の権化のような存在にも、役割があるということです。
ただし、それはもう、過去の話です。
今の時代、この段階この期に及んで、同じ過程を繰り返す必要はありません。
と申しますか、アセンション・タイムラインに乗っている人であれば、そのような過程を通る必要がある人達に、付き合っている義理も猶予もありません。
私たちはもう十分に準備が整いました。心の中のネガティブも、まだ残ってはいても、再び独裁者の役割を必要とするほどには、残っていません。
すでにアセンション・タイムラインにしっかりとライディングしている人にとっては、独裁者タイプ及びその支持者を始めとする線形波動の権化のような存在は、アセンションの足を引っ張るばかりで、何ら有益な役割を果たさない存在となっているのです。
もっとも、まだアセンション・タイムラインに乗っていない人なら話は別です。その人たちはまだ、こうした人物たちの役割が必要で、何回か、混乱する時代を過ごさなければならないかもしれません。
──さて、皆様、ここでちょっと自問してみていただきたいのですが、目下、ご自身がどちらのタイムラインにいると思いますか?
T氏は‘リトマス試験紙’?
ここまで見てきたように、独裁者タイプが台頭できるのは、人々の中に、それに呼応する想念があるからです。彼らの暗黒または線形波動と呼応するからこそ、人々は彼らに引きつけられ、支持するのです。すなわち、もしも人々の中にそうした想念がなければ、彼らのような人物に引きつけられるということ自体が起きえないのです。
これまで何度か、独裁者タイプの特徴として、非常に魅力的である、と言ってきましたが、その一方で、魅力を感じない人にとっては、どこがいいのかさっぱり分からない、とも申しました。
魅力的、魅力的と申しております私も、T氏のような独裁者タイプの「どこがいいのかさっぱり分からない」側の一人です。皆様はどちらでしょうか?
もしもあなたが、T氏にどうしても惹かれている自分がいる、前回記事を読んでも、彼がアセンションを妨害する側だとは思えない、というなら、線形に惹かれているとみて間違いないだろうと思います。
多くのスピリチュアリストにとって、線形スピリチュアルと、非線形スピリチュアルとの見極めは、かなり困難のようで、よほど優れたチャネラーでも線形に引き込まれることがあります。
前々回記事でも書きましたように、線形に引き込まれると非常に厄介なことになりますので、注意が必要なわけですが、自分の想念波動がどちらに向いているかを見極めるのは、時として難しいものがありますよね。
私の印象として、目下、T氏という人物は、スピリチュアリストにとって、いわば線形と非線形を見極めるプラットフォームになっている感があります。──プラットフォームというか、リトマス試験紙でしょうか。
なので、
何を読んでも、どう考えても、どうしてもT氏に惹かれてしまう とか、
惹かれてはいないけど、彼が反アセンションと思えない、どこがどうと言えないが納得しかねる とか、
好きなチャネラーがT氏を賛美していて、どうしてもそちらの方が正しく思える
とかいうのでしたら、T氏が魅力的に映っているのだと思います。つまり線形に惹かれている、あるいは、線形に引き込まれたスピリチュアリストに惹かれている(結果的には同じですが)と言えると思います。
一方で、
T氏のどこがいいのかさっぱり分からない とか、
特に関心がなかったが、本稿の分析を読んで、すんなり納得できる
というなら、特に独裁者タイプに惹かれる心理状態にないと言えると思います。独裁者タイプは典型的な線形ですから、線形に惹かれていないということですね。
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※ちなみに突然ですが、この先のレクチャーのことも考えて、ここでちょっと、線形/非線形について、おさらいも兼ねて整理しておきますと、
まず、この物質次元世界、つまりアセンションしていない世界は、線形です。そして、アセンションした先の世界が非線形です。ここがまず、大きな区分けです。
渡辺大起氏の著書には、惑星の進化の段階として、ライマカタとラタカルタという定義が登場しますが、ここで言っている線形と非線形は、それぞれライマカタ、ラタカルタに該当すると考えていいと思います。
ここは大きな差で、バシャールさんが、「物質次元世界は幻想の世界」と再三述べていますが、線形とはつまり現実の世界ではなく、制限という幻想に基づく、想念波動の世界なわけです。対して非線形とは、真の宇宙、真の現実世界です。
アセンションとは、制限という幻想から目覚め、真の現実世界へと回帰することですので、線形から非線形に向かうことになります。
で、少し紛らわしいのですが、私が時折言っている、「線形/非線形の切り分けは相対的なもの」というのは、これとは若干異なる見方の話です。
より高度なフェーズの波動世界から見ると、より低い波動フェーズの世界は、それだけ制限がある、という意味で、線形であると言えます。
私たちは、何よりもまずアセンションを目指しています。この点で言う線形/非線形とはつまり前者の定義、アセンションしない世界/アセンションした先の世界 ということです。
一方で、アセンションにもレベルがあると申しました。この意味での線形/非線形は、後者の定義、波動フェーズによる相対的な線形/非線形です。
紛らわしいので別の言葉を使った方がいいのかもですが、本質的な意味合いでは同じものを含んでおり、ちょっと別の表現が見つかりません。
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さて、独裁者タイプやその支持者の方々は、アセンションしない側という意味で線形に与(くみ)しています。
そんな独裁者タイプの一人であるT氏に惹かれてしまうのは、T氏の有する強い線形波動と共振している状態です。共振すれば、当然ながらそちらに引き込まれます。つまり、アセンションしない側に引き戻されるということです。
彼が反アセンションであるという意味、当ブログが独裁者タイプを危惧するという意味、これでお分かりでしょうか?
そういうわけで、T氏のようなタイプに「惹かれる」「好意的に見てしまう」すなわち「共振してしまう」ということを、軽く考えない方がいいと私は思います。
また、これも何度か繰り返していることですが、線形に惹かれるか否かと、知能指数はほぼ関係がありません。陰謀論者含め、知能の高い人は少なくありません。
そうした知的な方々も、深く考えずやみくもに心酔している人と同様、無条件に、波動的に惹かれてしまっているのですが、なまじ優秀なだけに、自分の中で知的な理由付けをしてしまえます。なので自分が無条件に惹かれているということに、気づきにくいのです。
と、いうことで、T氏をある種のリトマス試験紙と考えて、ご自分が彼のタイプに惹かれていないか、今一度ご自身を見つめてみるのもいいかもしれません。
もちろん、いつも申していることですが、何をお信じになるのも最終的にはご本人次第ですし、ご自由です。
何しろT氏は、信奉者にとって、抗いがたい波動を放っているようですし、私には、誰が何に引きつけられるかを強制することはできません。
興味深いことに──いや、興味深いと思うか脅威と思うかは人それぞれですが、T氏のようなタイプに惹かれる場合、惹かれたスピリチュアリストが、彼よりも波動が低いということではないようです。
次回以降、T氏に限らず独裁者タイプの特徴を見ていこうと思っていますが、その中で、なぜ彼らは信奉者にとってそうも魅力的なのか、も考察してみたいと思っております。
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